(本)先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち

https://amzn.to/3IVlpYg

 

会社に入って10年が過ぎ、いわゆる中堅どころとなり、指導する後輩もできました。

少し前まで若手だと思っていましたが・・・時の経つのは早いものです。

 

自分がいわゆる「兵隊さん」をやっている時には、自分の能力なり知識を増やすことに全勢力を注いでいました。本だけの勉強に飽き足らず、社会人ドクターというイバラの道を選んだのもその一環。真面目か!と言われるかもですが、早めに出社して本で勉強したり、土日に専門書を見に本屋に行ってみたり。自分なりに努力をしてきたつもりです。

そんな思想を持って突っ走ってきたわけですが、後輩の指導・教育となると勝手が全く違う。過去の経験もあり、自分は「仕事は皆、当事者意識を持って進めてくれるもの」と暗黙のうちに思い込んでいた部分がありました。

 

なので、後輩に対しても手取り足取り教える、というよりは、概要を説明し「わからないとこがあれば遠慮なく聞きにきて」というスタンスで進めていました。

でも、いつまで経っても聞きにこない。じゃあ、理解して順調に進んでいるのかと思って聞いてみると、全然進んでない。。。その後も、何度も「進めないと期限もあるし、わからないとこあれば聞きながらドンドン転がして」ということを伝えるものの、一向に聞きにくる気配もない。で、聞いてみると進んでないというのを繰り返していました。

そんな時にたまたま手に取ったのが本書。

あまりに当時の自分と重なる部分があり、よからぬ伝え方をしてしまってたんだなと反省したところです。

以下、自分が述べたいことと合致しているので、Amazonから抜粋です。

 

「わからなくなったらいつでも聞いて」の罠

こんなエピソードがある。

上司が新入社員にひととおりのやり方を教えた上で、「わからなくなったらいつでも聞いて」と言い残し、ある業務を任せた。もちろん、ちょっと教えただけですべてサラサラとできる業務ではない。しかし、彼らは一向に質問に現れない。なぜか。 任せた業務のデッドラインが近づく。しびれを切らして席を立ち、自分は次のどちらかを演じることになる。

(1)「なぜすぐに質問に来ないんだい?貴重な時間を無駄にしてはいけないよ」

(2)「君たちはできなくて当たり前なんだから、どんなことでも聞けばいいんだよ」

いい子症候群のリアクションは、次のうちのどちらかになる。

・次からあらゆることを聞きに来る(だってそう指示されたから)

・やっぱり何も聞きに来ない(だって質問の仕方に関する例題を授かってないから)

ここには、現代の若者たちの「行動の三原則」が働いている。

1:提示された例題はものすごく参考にする

2:例題の提示がなければ基本、何もできない(しない)

3:よって、参考とすべき例題の提示を強く望む

質問に現れなかった理由は、行動の三原則の1と2にある。彼らは、質問の仕方に関する例題を示してもらっていないのだ。

なるほど、でした。

親切心で「いつでも聞いて」と言っていたものの、まだまだ踏み込みが甘かった。。。

と書くと、今の若者に対する批判のように聞こえるかもしれませんが、そんな意図はありません。多分、昔は今じゃパワハラに該当する言葉を浴びたり、場合によっては体罰的なことをされていた先輩方も、今の社会情勢に鑑み、適応している。これは、やはり指導する我々側の認識と対応を改める必要があるものと思います。

一筋縄では行かないかもですが・・・若い方と接する機会がある方は一読すると理解が深まるかと思います。おすすめ。