機嫌良くいるために
自分の気分の浮き沈み(波高)をなるべく小さくすること、安定させることは特に人の上に立つ者にとって大事なスキルです。
今も、上に立つ人のイメージとして、部下に緊張感を与える人・改善すべき点があれば口角泡を飛ばしながら指摘する人のような姿を思うかべてしまう人も少なくないのかなと思うのですが、おそらくこういった雰囲気は企業規模にかかわらず減っていくのだろうなと思います。というのも、そういう高圧的・威圧的な態度というのは、
①上に立つ人間が正解を知っていて
②部下がその要求基準に到達してないことを改善させるため
に行われるのが主だから。
常識レベルで守べき、備えるべき者についての叱責は今後も残るのかもしれませんが、明確な答えのない環境に向かっていく現代の社会において、個人のアイディア・想像力がその主なエネルギー源になるのであれば、それらの表出を阻害するような心理的安全性が保たれていないはいずれ是正されていくでしょう。
そういう背景もあり、メンタルコントロール、アンガーマネジメントといった単語に触れる機会も増えてきた気がします。今回、たまたまUdemyの講座で「ご機嫌Hacks」なる講座を受講し(タイトルは軽いですが)自分なりに学びとなる点もあったので、備忘録がてら特に自分が実行したく思った内容についてメモしておきたいと思います。
・基本的な考え方:ご機嫌は自分のコントロール領域を増やすことで取り戻せる。そのためには、日常の出来事を分析し、コントロール可能不可能を切り分けることが大事。
自分のイライラの原因のサンプルを集めてみると、自分の自己コントロール感に密接に結びつくのは納得するところです。
上司に突然怒られた、犬のフンを踏んでしまった、締切を忘れていた・・・
確かに、どれも落ち込んだりイライラしたりしそうですが、なぜでしょうか。分析のステップを経ないと、怒られた→イライラする となってしまいますが、一旦ここで冷静になってみる(というのも余裕がないと結構難しいのですが)。すると、上司が怒った理由で自分に起因するものについてはコントロールできますが、上司の機嫌なり捉え方についてはコントロールできませんよね。となると、前者にだけ注目して、後者はどうしようもないと割り切る。
こう言われると、「いやいや、そうやって分割できたところで前者(自分ができること・できたこと)に対する思いは変わらんでしょ」と言われるかもしれません。でも、違うんです。
この分割ができてる、できていないって、精神衛生上大きい。
分割できていない悩みをポリバケツに入った水だとすると、分割作業をすることで、小さいバケツとかお椀くらいのサイズになる。で、そうすると、そのお椀にだけ着目すれば良いので、悩んだり後悔したりすることに変わりはないのですが、心持ちが全然違います。一度、騙されたと思ってやってみると良いと思います。
・ブレインダンプ
頭の中にある悩み、やらなきゃいけないこと、やりたいことを全部一旦紙に書き出してみる。これも、悩みに限らずですが頭の中だけで抱えてると、とんでもない膨大な量に思えて途方に暮れてしまうのを視覚化することで防ぐことができます。
多分、ですが脳みそは基本的に一度に1つのことしか考えられなくて、複数の悩みなり気掛かりなことが頭にあると、それらがずっとループする。で、ループしてずっと頭が占領されると、すごい膨大に思えてしまう。そういうことだと思います。
GTDなどでも推奨されていますが、時々、「頭の中を全部吐き出す」という作業をすると、気分もスッキリします。抜け漏れなり、「あ、忘れてた」というのを防げる副次的効果もあり。
・休みの予定を先に入れてしまう
もしかしたら中島さんの講演の一番のキモがこれかもしれません。自分も、プライベートの予定というと、まず先に休日という枠があり、近づいてきたら何をするか決めようかという感じでした。それに対し、もっと自分のことを知り戦略的にプライベートも過ごそうと主張します。レスト、リラックス、レクレーションの3Cが標語化されており、それぞれに自分にあったものを明確にすることからスタートです。
休む、癒す、遊ぶとでも言いましょうか。趣味嗜好により、自分に合ったものをリスト化しておくと良いと思います。休むにしても、朝から寝まくるのが良いのか、起きて太陽でも浴びながらぼーっとするのか、人によって「効く行為」はそれぞれ。だから、いろいろ試してみて自分に合ったものを探してみましょう。
で、ある程度明確化したら、あとはスケジューリング。予定が空いたらやろう、ではなくて仕事と同じく先に予定にしてしまうことが大事です。海外旅行であれば、先にチケットを期間を決めてしまい、それに業務を合わせて実行する。そんなイメージを3C行動全てに対してとることで、疲れすぎ・燃え尽きを防ぐことができます。
ちなみに、先日始めた5年日記(講座中では10年日記がおすすめされてました)も中島さんの影響でした。
自分の周りでは、メンタル疾患がなかなかゼロになりません。もちろん、周囲が気をつけるべきところもありますが、まずは自分のことは自分で整えてあげる・ケアしてあげる。
それが第一ですね。