社会人ドクター生活(1)

自己紹介欄にも書いてますとおり,自分は国立大学理系の博士前期課程(修士)を卒業し,いわゆる大企業に分類される民間企業に入社しました。

で,10年ほど勤務した後,ひょんなことから社会人ドクターとして大学に編入学し,現在3年生。業務と研究の日々を送っています。と書くとさぞかし優秀・立派なイメージが漂いますが,実状としては、業務が立て込めばそこに全集中(研究はほったらかし),研究発表や論文の提出期日が近くなれば逆にそっちに全振りというドタバタ劇を繰り広げる毎日です(泣)。理想の自分はどへやら・・・

学生の時は「きっと社会人になったら能力が伸びてて,仕事計画的にスマートにこなしているだろう」と思っていましたが,たぶん,スケジュール管理能力は大して変わっていません・・・。研究発表やゼミで多くのコメントを頂戴するたびに,「もっと余裕持って準備しとけよ,過去の俺!」とツッコむ日々でございます。

そんなイバラの道(ドMの道?),きっと会社からの潤沢な補助・バックアップがあるのかと思いきや・・・自腹でございます。ご存じのかたもいらっしゃるかもしれませんが,国立大学の学費は年間約50万,それに入学金が30万程度。博士課程は標準で3年ですので,単純計算,200万円となります。200万を自分の財布から出して,もがき苦しむ。非常に魅力的ですね(?)。

 

確かに,学費も決して安くはないですし,発表直前なんかは遅くまで準備をすることも多く楽ではないのが正直な感想。それでも,民間企業に努める身としてアカデミックの領域にいる人と接し,議論ができること。業務とは別に,自分が知りたい・解明したい内容に純粋に打ち込むことには魅力があるのも事実です。ちなみに,井の中の蛙なのは承知の上で,自分も研究をしている最中に「この結果をしっているのはこの世界で自分だけ!うひょー!」となる瞬間がありました※

※研究者の発言や文章をみると,博士課程1年目なり,数回「全能感に感染する」タイミングがあるそう。

社会人ドクター生活も3年目を迎えており,卒業を控えております(うまくいけば,ですが)。で,このタイミングで振り返りをしておくことは,自分の備忘にもなりますし,もしかしたら今後,社会人ドクターとしての道を歩もうと考えているからの一助(笑いのネタ?)になるかもしれないと思いたち,つらつらと書き残してみることにしました。

役に立たたない,面白くない,ただの自己満足となる可能性も多々あるところですが,冷めた目で見届けていただくと幸甚でございます。

ニーズはなくてもよかろう、自己満足じゃ。

 

(参考文献)

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか

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入学後、「さっぱり論文が書けない(書く気が起こらない)」となった時に手に取った一冊。薄めの一冊でサクッと読めましたが、主張は非常にシンプル。

いいから黙って毎日書け!

ということ。

 

東村アキコ先生の「かくかくしかじか」の絵の先生の「描けー!」といってることは同じ。

かくかくしかじか

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毎日書く。日記などの習慣化に成功した人は、継続は力なりの言葉の意味をよく分かっていると思います。美術の技術同様、研究においても数日おくと「勘」が鈍り言葉を紡ぎ出すための初動が重くなること、以前やっていた作業や内容を想起するのに時間やストレスがかかるため、結局は少しずつでも継続したほうがトータルとしてみると楽、ということです。

ちょっと業務が立て込むと破綻する、というのを自分は繰り返してしまいましたが(反省)、卒業が近づくに連れ徐々に習慣化に成功し、このアドバイスの意味を痛感したところです。