(本)料理の四面体
Amazon.co.jp: 料理の四面体 (中公文庫) eBook : 玉村豊男: 本
取り立てて大きな理由もないのですが、読書を含めた日々の記録とアウトプットのため、ブログを開設してみることにしました。いきなり冒険はできない?という小心者ぶりを発揮し、評判もよく無料で始められるHatenaブログとしてみました。継続は力なり、ということで続けていければなと考えております。
さて、今回取り上げるのは玉村豊男さんの「料理の四面体」という一冊。
レシピをまとめた本でもなければ、文庫サイズの文字だけという料理本に似つかない体裁。ただ、読むとめちゃめちゃ面白い。頭の良い人は具体と抽象を行き来するというのはよく言われることですが、玉村さんは本書の中で、具体的な料理なり調理方や旅行の思い出を振り返りつつ、上手に抽象化して「料理とはなんぞや?」の回答を示してくれています。
例えば、卵を例にとると
・目玉焼き
・スクランブルエッグ(炒り卵)
・卵焼き
・ゆで卵
・ポーチドエッグ
とたくさん、亜種も含めればほぼ無限の料理ができます。一方で、これらは
目玉焼き、スクランブルエッグ、卵焼き → 卵に火を通したもの
ゆで卵、ポーチドエッグ → 殻のありなしはあれど、卵を茹でたもの
というふうに、抽象度を上げていくと多くの料理の調理方は絞られていきます。
で、最終的に残るのが
・火
・空気
・油
・水
であり、すべての料理はこれらの4つを頂点とした四面体をイメージすると、その四面体のうちのどこかに該当する、というのが本書での主張。
豆腐を考えてみると、水と火の線の上を考えると湯豆腐になるし空気と火の線上を考えると、焼き豆腐なり田楽(調味料は別)となる。油と火の線上となると油あげ。といったイメージ。
さらに広げて考えると、この四面体は複数回使うことも可能で、例えば上で示した油揚げをさらにこの四面体で考えると・・・というふうに、示された四面体がいわば調理方法の全貌となり、どこにプロットするかをイメージするとほぼ無限に料理が考えつく公式、となるわけです。
これまで、レシピ本を見たりテレビで料理番組を見ても、N=1となり単体の調理方法としかなり得ませんでしたが、四面体をイメージすることで、応用が広がりそうです。
これまで見ていた雑多な世界が一つのシンプルな公式で表される。